LEDヘッドライト厳選コラム

赤外線や熱などのセンサーを利用して認識するナイトビューは凄い!

投稿日:2016.12.15 その他

■ナイトビューとは何ぞや!?
それは、光に頼らず歩行者や障害物を検知するハイテク機能なのです。

今回はナイトビューシステムについて、語ってみました。

画像引用:インプレス
http://ur0.link/AlK4

自動車のヘッドライトは、光によって進行方向の状態や障害物などを把握するための装置です。しかし、光による前方の認識は、外部からの影響を受けやすいもの。たとえば、対向車のライトによって強い眩惑を感じると、こちら側のヘッドライトが当たっているものでさえ“見えない”状況に陥ります。

これに対し、ナイトビューは赤外線や熱などのセンサーを利用して前方を認識する技術です。光に頼らない検出法なので人間の目には見えませんが、光が届かない遠方の障害物をいち早く検出することが可能になります。



●赤外線カメラや熱感知カメラで障害物や人を検出



「ナイトビュー」は、トヨタが開発した夜間暗視システムとされています。しかし、同様のシステムはメルセデスやBMW、ホンダなど多くのメーカーが開発し、自社の製品に搭載しています。


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画像引用:ホンダ
http://www.honda.co.jp/tech/auto/night-vision/

ナイトビューは、自動車前方の状況や障害物をヘッドライトの光以外のものを使って認識するテクノロジーです。メーカーやグレードによってシステムの内容は様々ですが、一般的には前方に対して赤外線を照射し、その反射を赤外線カメラで受けて前方の状態を把握します。

また、これに熱感知カメラを追加し、人間や動物などを検出しやすくしているものもあります。いずれにしろ、人の目には見えない光線によって車両前方の状況を認識するのが、このシステムの特徴となります。


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画像引用:DAYS
http://www.motordays.com/newcar/articles/legend041113/

人の目に見えない赤外線や熱を前方の認識に使うので、このシステムでは車内に前方の状況を表示するモニターが設置されます。つまり、ドライバーにはウィンドウ越しに実際の路面を見つつ、時おりモニターもチェックするという視線の移動が発生することになります。



●ロービームで走行中にも、約100m先の歩行者を認識可能



このシステムが優れているのは、ヘッドライトの光が及ばない遠方の様子もいち早く把握できる点です。 夜間の運転では、状況によってハイビームが使えないシーンがよくあります。この場合、前方の把握はロービームに頼ることになりますが、ロービームの光が届くのは40mほどでしかありません。

つまり、その先の状況は街灯などに頼ることになっています。当然ながら、街灯などがない状況では、ロービームの光が照らす先の状況は分かりません。


この点、ナイトビューを使うと、より遠くの状況を認識できることになります。
多くのナイトビューシステムに使われている赤外線ライトとカメラは、100mほど先にある物体の認識が可能です。赤外線は目に見えないので、物体の把握にはモニターを利用することになります。

しかし、ロービームの光が及ばない遠方の状況がいち早く認識できることは、安全運転に大きく役立つでしょう。


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画像引用:トヨタ
http://ur0.link/AlM1

熱感知カメラを搭載したり人物の認識機能を搭載したシステムなら、夜間走行時の安心感はさらに高まります。これらのシステムでは、遠方に人を発見すると、モニター上でそれを枠で囲み、目立たせるような仕組みが搭載されています。

また、場合によってブザー音などを発し、ドライバーの注意を喚起します。これらによって、ドライバーは進行方向に歩行者がいることをライトの光が届く前に認識可能となります。



●軍事技術が自動車の安全に大きく寄与した好例



現代の自動車が備える高度な機能は、その多くが軍事技術からのフィードバックによるものです。たとえばGPSはその代表的なものでしょう。ナイトビジョンに採用される熱感知カメラも、そのような軍事技術が使用された例です。

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画像引用:Toymilitary’s
http://toymilitary.militaryblog.jp/d2009-07-17.html

兵器などに使われるテクノロジーは、コスト面に大きな問題があり、そのままでは一般の消費者が使う製品には使えないのが普通です。熱感知カメラについても同様で、軍事用のカメラは使用にあたり冷却が必要で、かつセンサーが高額という問題がありました。


この状況を打ち破ったのが、使用に際して冷却の必要がない赤外線センサーの開発です。このセンサーの登場により、この分野の研究・開発が加速しました。その結果、車両に搭載しても安定して動作する赤外線カメラが普及したというわけです。

熱源を感じて画面上に表示するというナイトビューの熱感知カメラは、機能のみを考えれば、軍用の暗視スコープと違いはありません。違いは、その機能が軍事に使われるのか夜間の安全走行に使われるかの違いだけです。


ちなみに、車両に搭載される各社のナイトビューシステムは、現在のところは車両のスピードを自動的に減速させるなどの機能は備えていません。

ただ、メルセデスの「ナイトビューアシストプラス」では、進路上に歩行者を検出した場合に、ヘッドライトを歩行者に点滅投光する機能が搭載されています。これにより、歩行者はもとより、ドライバーに対しても注意を喚起するようになっています。



●自動ブレーキに統合されるテクノロジー



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画像引用:トレンド速報ニュース
http://rubeusu-trend.com/1586/


赤外線カメラや熱感知カメラなどを使うナイトビュー機能は、車両前方の障害物や歩行者を検知する機能としては、現在普及が進む自動ブレーキシステムのカメラと同じ仕組みを使っています。このため、双方はいずれ統合されるものと考えられます。


現在の自動ブレーキシステムは、前方の状態把握にカメラのみを使うものも多数あります。しかし、その一部では通常のカメラと赤外線カメラを併用して、その精度を高めています。ここに熱感知カメラが加われば、双方のシステムでより高い精度が実現できそうです。

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