LEDヘッドライト

Amazonで売れている格安LEDヘッドライトのクオリティはどうなの!?
投稿日:2018.06.18 お知らせ

私もそうですが、最近ではほとんどの買い物をインターネットで済ませるという方が増加しています。特に即時性がそれほど問われない自動車部品などは、その特徴が顕著です。
中でもAmazonは、プライム会員になっておけば送料のかからない商品も多く、注文した当日や翌日に届くため、非常に重宝します。そんなAmazonで人気の自動車パーツを検索していると、驚くほど安価なLEDヘッドライトが目立ちます。ボタン一つで注文でき、翌日には格安で部品が届くとなれば、メリットしかありませんが、本当にそうなのでしょうか?
気になったので、Amazonで人気の格安LEDヘッドライトについて、実際に購入して取付けてみたいと思います。
目次
格安LEDFヘッドライト詳細

Amazon売れ筋ランキング2位で、賛否両論あるボールファン付のモデルです。
メーカー | AUNAXLED |
---|---|
商品名 | ー |
バルブ形状 | H4 Hi/Lo 一体型 |
色温度 | 6500K(ホワイト) |
明るさ | 5600lm(2800lm×2) |
出力 | 50W |
価格 | 3,256円(税込)Amazonプライム対象商品 |
セット内容 | バルブ × 2のみ! |
保証期間 | 2年 |
ファンの騒音やファンの耐久性の面でファンレスに劣るのでは、という意見も多々見られますが、本当のところどうなのか確かめてみたいと思います。
パッケージにFlipChipLEDとPRしていますが、これはコアの裏面に直接半田接続する形式を意味しており、最近のLED製品では当たり前のようです。
この形式だと、バルブ本体の小型化が可能でコアを直接ヒートシンクと接触する事が出来るので放熱面で優れていると言えます。
一つ気になったことは、いくら安価とは言えコストをカットし過ぎではないかということです。パッケージを開けると製品だけが入っており、説明書や保証書、付属品は一切ありません。
少々やりすぎだと感じました。
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取付けた車両
取付けに進む前に今回取り付けた車両について紹介させていただきます。メーカー:トヨタ
車種:MR-S(前期型ZZ30)
年式:2000年式
純正ヘッドライト:ハロゲン式のH4タイプ
製造から18年が経過しており、当然ヘッドライト表面の傷や変色は避けられません。
新車当時はハロゲンでも十分だったかも知れませんが、今となっては相当に暗く都内を離れてしまえば、夜間走行で困ることもしばしば。
何より、ヘッドライトの外観はお世辞にもカッコいいとはいえません。
それだけに見た目の変化も楽しみです。
取付け手順
セット内容の確認
取付けに入る前にセット内容の確認から進めてみたかったのですが、何せ製品本体以外には何も同梱されていませんので、確認のしようがありません。


取り付け前の準備
車の電装品について作業する際には必ずバッテリーのマイナス端子を取外しましょう。特に古い車は、どこで配線が剥きだしになってショートしているかわかりません。
作業前後で事象を切り分けるためにも、ミスからの電装系保護のためにも必ず行ってください。
手順としては、マイナス端子をスパナなどで取外すだけです。プラス端子まで外す必要はありません。
作業スペースの確保



取付対象の車両は、MR-Sということで、ミッドシップレイアウトつまりエンジンが後ろにあり、ヘッドライトには比較的容易にアプローチできそうに思えます。
しかし、いざ開けてみるとそうでもありません。
至る所が樹脂製のカバーで覆われていたため、すべて虫ピンから外す必要がありました。
古い車の場合は、プラスチック部品が劣化して割れやすくなっていることがほとんどですので、慎重に作業してください。
純正ハロゲンランプの取外し


純正ハロゲンランプに電源を供給しているコンセント状のコネクタを引き抜きます。
次にゴム製の防水カバーを外します。どちらも刺さっているだけですので、特にコツや注意点はありません。
バルブ脱落防止のスプリングピンを押し下げたら、いよいよバルブを引き抜きます。
この際素手で電球部分に触ったり、車体にぶつけて割ったりしないように注意が必要です。
なぜなら、LED製品が不具合や形状により取付不可能だった場合には純正ハロゲンに戻すことになるからです。
電球部分に素手で触ってはいけない理由は、手の油分が付着し使用中に高温になることで割れるのを防ぐためです。
LED取付け前の確認



取付け前にLED製品の形状を確認してみましょう。車両によっては、この時点で装着できないことが明らかになる場合もあります。
特にLED製品はチップ部の放熱のために大きなヒートシンクやファンが設けられており、バルブが大きくなる傾向にあります。
電球のみのハロゲンとは必要となるスペースが違います。中でも今回の製品は、ボールファンが付いているだけに一際大きいです。
製品をみていて面白い特徴に気が付きました。チップが一か所のみに集まっています。
車体に取り付けた際に上側だけが光り、それをリフレクターで反射拡散させることになります。
本当に偏りなく路面も照らすことができるのか不安になる形状です。
車体に取り付ける前に、コネクタに刺してスイッチをオンにすることで通電チェックをしておきましょう。
初期不良や故障を後から見つけたのでは、取付作業が無駄になってしまいます。
LEDバルブの取付



取外したのとは逆の手順で取付けていきます。バルブを台座とレンズ側の欠けと凹凸が合うように挿入します。
脱落防止スプリングピンで固定し、防水カバーをかぶせます。
後は、コネクタを差し込むだけで取付完了です。
この取付でちょっとした違和感を覚えました。
それは、ボールファンがバルブの先端に存在していることです。思わず、逆ではないのかと確認しましたが、どうやらあっている様です。
取付後の画像を見ていただいてわかる通り、ヘッドライトの先端に大きなファンが来ています。
正直なところ、あまりカッコがいいとは言えない形状です。
点灯確認

再度バッテリーのマイナス端子を元に戻し、ヘッドライトスイッチをオンにして正常に点灯することを確認します。
画像からもやけに上半分だけが光っているのがわかると思います。
先ほどの取付前確認でバルブ形状をみて想像した通りの状態です。
画像だけでなく、実際に全体を見ても本当に上半分だけが明るいです。
このまま道路に出てしまって大丈夫でしょうか?
後ほど道路を照らせるのか確認してみたいと思います。
各部の固定
今回は特に固定が必要となる遊びの発生はありませんでした。作業スペースを確保するために取外したカバー類を全て元に戻して取付完了です。
後は、反対側も全く同じ要領で交換していきます。
取付作業全体を通して
ボールファン付きで大きかったものの、ミッドシップというレイアウトにも助けられて、難なく作業することができました。交換に要した時間も左右合わせて1時間程度です。
ただし、やはり取扱説明書のたぐいが何もなかったため、戸惑った際の確認ができずに困りました。
その点は非常に不親切に感じました。
チップの偏りや発光させる向きについては、あっているのか取付後も半信半疑です。
使用感(純正との比較)
いよいよ純正ハロゲンとの点灯比較をしていきたいと思います。画像については、実際の光や見た目に近づけるために感度を落として撮影してあります。
Loビーム
外見
◼︎純正ハロゲン
◼︎格安LEDヘッドライト

やはり、ハロゲンはまんべんなく光っているのに対して、今回のLEDはヘッドライトの上半分が特に明るくなっているのがわかります。
発行色については、LEDの青白さが際立っていて、近代的にみえます。
照明範囲
◼︎純正ハロゲン
◼︎格安LEDヘッドライト

右手前の白い倉庫のようなものをみていただくとわかりやすいですが、LEDの方が明らかに光が上まで届いています。
発行色が白い影響もあって、非常にスッキリとして見やすくなっています。
また、チップが上を向いているものだけだったため、心配された路面への照射に関しては、若干ですがLEDの方が路面への照射開始が遠くなっているように見えます。
左手前の看板をみると、ハロゲンとLEDの指向性の違いがよくわかります。
ハロゲンは看板全面で違いは見られませんが、LEDはやはり上にいけばいくほど暗くなっています。
これは、LEDの方が指向性が強く拡散しにくい性質によるものだと思われます。
使用感
◼︎純正ハロゲン
◼︎LED

先ほどの画像以上に照射距離が伸びていることがよくわかるかと思います。
撮影位置は目印をつけて全く同じになるように固定しています。
ハロゲンだと一番奥に何があるのかわかりませんが、LEDだと突き当りに車が止まっているのがハッキリわかります。
カットライン
◼︎純正ハロゲン
◼︎格安LEDヘッドライト

LEDは指向性も強く、チップ発行による光源のためハロゲン用に設定されたリフレクターではカットラインが出にくい傾向にあります。
とはいうものの、想像していたよりはハッキリと出ていることに驚きました。
ただし、やはり今回の製品の特性上、下半分が弱いようにも見えます。
Hiビーム
照射範囲と外見
◼︎純正ハロゲン
◼︎格安LEDヘッドライト

Hiビームにおいても、外見が白い光でカッコよくなっていることがわかります。
照射範囲に関して、Hiビームなだけに遠方を照らすのはわかるのですが、ハロゲンだと手前の路面にはほとんど光が当たっておらず、LEDの方が優れているように見えます。
横からの照射範囲と拡散
◼︎純正ハロゲン
◼︎格安LEDヘッドライト

こちらの画像でもLEDの方が手前の路面を照らしていることがわかります。
ただし、光の拡散という意味では、ハロゲンの方が暗いものの幅が大きいこともわかります。
使用感
◼︎純正ハロゲン
◼︎格安LEDヘッドライト

到達距離、見易さともにLEDの方が優れているのが明らかです。
耐久性
最後に今回のLED製品がボールファン付きということで気になる耐久性について考えてみました。心配されたファンの騒音については、ヘッドライトレンズ面に耳を当てなければ、ほとんどファンの音は聞くことができないほど静かです。
ただし、自宅のパソコンの冷却ファンを思い浮かべていただきたいのですが、使用年数が経過すればどんどんファンの音が大きくなってきますよね。
ですので、同様に数年使い続ければファンの騒音が気になってくる可能性もあります。
ただし、保証期間が切れる2年毎に新製品に買い替えても全く問題ないくらいの低価格でもあります。
逆に言えば、このファンがあるおかげでその間は全く性能が劣化することなく使い続けられる可能性もあります。
今回の車両がミッドシップレイアウトのためエンジンが前になく、熱的には有利です。
ですが、特に発熱量の大きな大排気量多気筒エンジンを持つ車にはこのボールファン付きモデルがお勧めかも知れません。
エンジン音も大きいので、ファンの騒音は問題にならないことでしょう。
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