LEDヘッドライト厳選コラム

LEDヘッドライトとHID取り付け手順の違いと難易度は?

投稿日:2016.08.01 HIDと比較

ハロゲンライトの車両にHIDやLEDライトを組み込むと、明るさのUPによる夜間運転の安全性向上や 消費電力の少なさ、スタイリッシュな見た目など、いろいろなメリットを得ることができます。

しかし、HIDとLEDは、ヘッドライトの仕組みとしては全く別のモノ。 HIDやLEDの導入は、単純にバルブを交換すればOKということにはなりません。 導入作業にはそれぞれに注意すべき点やノウハウが存在しますから、実際に交換に 踏み切る前に知っておくと良いでしょう。

実績が多い交換キットの選択が安全

ハロゲンのヘッドライトが装備されている車両をHIDやLEDにアップグレードするには、周辺モジュールやケーブルがセットになった“交換キット”を使うのが簡単です。


このような交換キットは、アフターパーツのメーカーやチューニングショップなどから発売されています。ライトのアップグレードに必要なパーツがタイラップなどの小物に至るまで含まれているのが普通ですから、このようなキットがあれば工具の他に必要なものはありません。


まずは、自分の車両でどのキットが使えるかを調べてみましょう。


なぜ事前にこのような調査が必要かといえば、車両の状況によっては、汎用的なアップグレードキットが使えない場合があるからです。


特に最近のクルマでは、ボンネット内に余分なスペースがあまりありません。このため、大きな放熱ファンやヒートシンクを備えたLEDバルブではライトモジュールの方がどこかに干渉する危険があります。自分のクルマのボンネットを開け、ヘッドライトの裏側に十分なスペースが無いようだと、大型のヒートシンクが付いたLEDバブルは装着できないことになります。


HIDの場合は、LEDのようにバルブに冷却用のファンなどはありません。しかし、代わりにバラストの設置スペースが必要になります。バラストはバッテリー電圧である12vをHIDの放電に必要な2万v程度まで昇圧し、電力をHIDバルブに対して安定して供給する装置で、それ自体も熱を発します。


このため、設置には発熱を考慮した場所を確保する必要があります。


HIDに必要な高電圧を生み出すバラスト。サイズは10×10cmほど。


バラストに関しては、さらに重要な注意点があります。それは、バラストからバルブまでのケーブルが、多くのキットで“改造不可”となっている点です。これは、このケーブルに非常に高い電圧がかかるためです。このケーブルを素人のユーザーが改造して延長することは非常に危険です。


このような理由から、HIDのバラストは、ライトからケーブルが届く範囲で、かつ発熱しても問題がない場所に限られます。これをクリアするには、自車のヘッドライトやその周囲を観察し、それに基づいてアップブレードキットを選ぶ必要があります。



HIDやLEDはどういったメーカーを選べば良いか?



今では実に多くのメーカーから、さまざまな価格帯の商品が販売されるようになりました。発売され始めたころは数万円以上していたLEDも、最近では1万円を切る価格で販売されている商品もあります。また、HIDに至っては、1万円を切るどころか、明るい高効率のハロゲンバルブとほとんど変わらない価格の商品があるほどです。


これからHIDやLEDを購入しようとした場合、当然価格が安い商品を購入したくなりますが、本当に価格だけで選んでも良いのでしょうか?


ここからは、何を基準に、HIDやLEDを選べばよいかについてお話していきたいと思います。



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格安HIDやLEDはなぜ安い?


価格が高い商品と安い商品では何が違うのか気になるところですが、やはり、安い商品には安いなりの、高い商品は高いなりの理由があるのです。


まず、安い商品に多い特徴としては、中国で生産されているという特徴があります。ひと昔前には人件費の安さが低価格にできる最大のポイントでした。しかし、最近では、徹底的なローコストオペレーションによって、無駄に高品質を追い求めない、良くも悪くも品質を割り切ることによって低価格を実現。


価格の安い中国製の部品を使い、ギリギリの品質で製造することで、他国には真似のできない価格で商品を製造することができるということであり、安かろう悪かろうとは一概には言えないほどに品質は向上しつつあります。


ただし、実際に格安の商品を購入したユーザーの中には、「購入して1か月もせずに点灯しなくなった。」「ABSの警告灯が点灯するようになった。」などの不具合が少なからず報告されているのも事実です。


中国製の商品がすべてダメとは言えませんが、ある程度品質にバラつきがあることは認識しておかねばなりません。


安心できるHID、LEDを選ぼう


反対に価格が高い商品の特徴は、品質のバラつきがほとんどないことや保証の充実、さらには取り付け後の不具合の少なさなどが挙げられます。


ヘッドライトをHIDやLEDに交換したことが原因で、車検に落ちるようになってしまったというのは決して珍しいことではありません。その理由の多くが、交換した商品の品質が問題となっていることがほとんどです。


ヘッドライトは、光源(バルブの光る部分)の位置や、取り付け角度によって、光軸やカットオフライン、明るさなどが変化します。そのため、高品質のHIDバルブやLEDバルブは、光源の位置や角度が、純正ハロゲンバルブと同じになるよう、非常に高い精度で組付けられているのです。


価格が安い商品がダメというわけではありませんが、車検はもちろん、夜間の視界を確保する点を優先するのであれば、ある程度信頼のおけるメーカーの商品を購入することをオススメします。


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基本的にバルブの交換だけでOKなLEDがカンタン



先述したように、HIDに比べてDIYでの交換も容易なLEDですが、やはり交換する上で注意していただきたいことがあります。LEDをせっかく購入したにも関わらず、取り付け方法が間違っていると、車検に不合格になるばかりでなく、すぐに故障させてしまう可能性もあるのです。


防水対策はしっかり行う


LEDヘッドライトに交換する際に、もっとも気を付けたいのは防水対策です。電気製品であるため、コネクターにビニールテープを巻くなどの対策は、念のため行っておいた方が良いでしょう。


また、ヘッドライト裏の防水カバーの取り扱いにも注意が必要です。取り付けるLEDによっては加工が必要になる場合があるかもしれませんし、無加工であっても、もともとの形状とは異なる場合があるため、確実に取り付けられているか確認しましょう。


ヘッドライト裏の防水カバーは、取り付けの向きが違うだけでも、ヘッドライト内部に水が侵入してしまうものがあり、侵入した水によってLEDの寿命を縮めてしまったり、ヘッドライト本体をダメにしてしまったりすることがあります。


配光調整や光軸調整を行う


先述したように、光源の角度と位置によって、カットオフラインの出方や焦点が変わり、ただ取付けただけではカットオフラインが出なかったり、グレアと呼ばれる余計な光が漏れてしまいます。そのため、交換後には取り付け角度を調整する必要があるのです。


有名メーカーの商品の場合は、バルブと台座の位置を調整できるようになっているため、ガレージなどの塀に照らし、左右同じようなカットオフラインが出るように調整しましょう。


光軸については、ロービームの場合はエルボー点が、ハイビームの場合は一番明るい点が、ヘッドライトの高さよりも低くなるように調整します。車検などが近い場合や、色味が青白いケルビン数の商品を取り付けた場合は、光度(明るさ)についても確認しておくと安心ですので、整備工場にあるヘッドライトテスターで調整してもらうと良いでしょう。


業者により料金は違いますが、1,500円~3,000円程度で調整してもらうことができます。




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ハロゲンバルブからのアップグレードという側面でHIDとLEDを比較すると、作業自体がカンタンなのは、圧倒的にLEDです。LEDであれば、作業難易度は基本的に切れたハロゲンバルブを新しいモノに交換するのと変わりません。


実際の交換では、ライトの裏側から台座ごとハロゲンバルブを引き抜き、これをLEDのバルブモジュールと入れ替えます。このあとコネクタ類をつなげば、作業は終了です。


HIDの場合もライトモジュールを入れ替えるのは同じですが、先に紹介したバラストの設置が必要です。また、場合によっては、HIDバルブの表面に付いた油分やホコリなどを取り除く“空焼き”が必要な場合もあります。


最近は空焼き不要のHIDバルブも多いようですが、バルブ表面に油分やゴミが付いた状態でバルブをライト内に装着すると、点灯時にその油分やゴミが燃焼し、発生したガスがライトの内部を曇らせる場合があります。これを防ぐために、ライトへ装着する前に数分ほどライトを点灯させるのが空焼きです。


“空焼き”を行わないと、ライト内で不純物が燃焼しガスが発生。ライトを内部から曇らせることも。


LEDの場合も発熱部に油分やゴミが付着していると不具合を起こすことがあります。しかし、多くのLEDバルブは発光部がガラスに覆われていません。また、サイズが小さいので油分やゴミなどが付着しても、その量は微々たるものの場合が多いようです。



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