LEDヘッドライト厳選コラム

LEDとHIDとハロゲン球の発行原理の違いについて

投稿日:2016.08.06 HIDと比較

■抜群の省電力&高信頼性! 今後が期待される、LEDヘッドライト

自動車のヘッドライトとして、このところLEDタイプが注目されています。 数年前から高級車を中心に標準搭載する車種が増え、最近ではグレードアップキットや LEDを組み込んだライトモジュールも販売されています。

従来型のヘッドライトと比べ、優れる点が多いとされるLEDヘッドライト。 その動作の仕組みを知り、従来型ライトに対するアドバンテージを確認しておきましょう。


LEDヘッドライトの優位性を知るためには、 ハロゲンバルブやHIDライトの知識が不可欠です。 実は、この3つのヘッドライトは、発光の原理が大きく異なります。 それぞれの発光原理と特徴は以下の通りです。


ハロゲンバルブ


ハロゲンバルブは、古くから自動車のヘッドライトとして採用されてきたものです。 発光の原理はエジソンが発明した白熱灯そのもので、バルブ内に設置した フィラメント(電熱線)に電流を流し、その抵抗による熱から光を得ます。



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ハロゲンランプの価格より)
cap:フィラメントに電気を通て熱し、光を得る。

自動車のヘッドライトに使用するバルブでは、ガラスの内部に窒素やアルゴンなどの 不活性ガスに加え、少量のハロゲンガスが注入されています。

「ハロゲンバルブ」の名称は、これによるものです。



バルブ内にハロゲンガスを注入することで、ハロゲンバルブではフィラメントから 熱によって昇華したタングステンを再度フィラメントに戻すことができます。



この自己再生作用によってフィラメントの寿命が伸び、 またフィラメントが当初の状態を維持できるので長い期間に渡って明るい光を 得られるという特徴を備えています。



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ハロゲンランプ~インテリアの知識より)
cap:ハロゲンサイクル。バルブ内にハロゲンを注入することで、一度昇華したタング ステンが再度フィラメントに戻る。

ちなみに、ハロゲンを注入しないバルブでは、フィラメントを自己再生する機能がないので 使用に従ってフィラメントが痩せて切れやすくなります。

また、フィラメントから昇華したタングステンがバルブの内側に黒い粉となって 吸着するので、使用に応じて暗くなるという欠点を持っています。



HID


ハロゲンランプがフィラメントの発熱により光を得るのに対し、 HIDはアーク放電によって光を得ます。

HIDは、ハロゲンランプのように電熱線を使わないので“球切れ”がなく、 ハロゲンバルブに比べて少ない電力で明るい光を得られるのが特徴です。

HIDは、概ねハロゲンバルブの2/3程度の電力で3倍ほどの明るさを得られます。このため、現在では多くの車両に採用されています。



about_hid_03HIDって何?をここで解決! より)
cap:HIDでは、放電のために高電圧を発生させる装備が必要。


HIDは放電によって光を得るので、放電用に高電圧を発生させる仕組みが搭載されています。

HIDライトでは、車両で使われている12Vの直流をバラストと呼ばれる装置で交流に変換し、 さらにこれをイグナイターで2万~数万Vに高めます。



この高電圧の電気をバルブ内で放電させるため、ハロゲンランプが “じわっ”と明るくなるのに対し、一瞬で“パッ”と明るくなる特徴を持っています。



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cap:上がハロゲンバルブ、下がHIDバルブ。発光部や遮光板の位置が違うと、正しい配光ができない場合がある。


省エネ性能と明るさに優れるHIDですが、既存のハロゲンバルブをHIDに置き換えるには 一定の技術が必要です。たとえば、ハロゲンバルブを使ったヘッドライトを グレードアップキットなどで安易にHID化すると、中には、HIDのバルブのサイズが ハロゲンバルブよりも長いために光軸や配光が正しく出ないことがあります。



また、ハロゲンに比べ多少熱をもつことから熱によってライト内の反射板やレンズを 溶かすなどのトラブルも報告されています。

この他、ハロゲンのように“球切れ”がない代わりに、バラストやイグナイターの不具合により点灯ができないなどの問題が 発生する場合もあります。(部品の切り分けに時間がかかりますね)



現在では多くの車両に採用されているHIDですが、ハロゲンからHIDへのアップグレードでは 知識とノウハウが必要で、素人のDIY作業は難しいかもしれません。




LEDヘッドライト



光源に発光ダイオード(LED)を使うヘッドライトです。よく知られるように、 LEDは消費電力が非常に少なく、発光素子としては半永久ともいえる堅牢性を備えています。



LEDは、p型とn型という性格の異なる2つの半導体を接合して作られています。

この場合の“性格”とは、内部を電子が自由に移動できるか否かという違いです。



p型は内部を電子が移動しにくく、n型は移動しやすいという性格を持っています。

p型とn型の半導体を接合したものに電気を流すと、一定の条件下で接合の境界付近で 発光が起こります。LEDの発光は、この特徴を利用したものです。



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LEDの発光原理 より)
cap:LED通電すると、p型半導体とn型半導体の接合部で発光が起こる。電気エネルギーをダイレクトに光に変換できるのが特徴。


LEDの発光は、電気のエネルギーがそのまま光に変わったものです。

ハロゲンライトでは電気が一旦熱に変わり、そこから光が発せられます。

また、HIDは放電によって光を得ます。



しかし、ダイレクトに電気を光に変換できるLEDは、ハロゲンバルブや HIDと違って非常にエネルギーロスが少ないことになります。



自動車のヘッドライトにLEDが採用されたのは、2007年のレクサスの LS600hが初とされています。

LEDはそれ以前にも存在していましたが、当時のLEDはヘッドライトに使用するには光量が足りず、LS600hでは3機のLEDランプを 使うことで必要な光量を確保していました。



現在、HIDに次ぐヘッドライトとしてLEDが注目されているのは、 省エネ性能そのままにLED単体の光量がUPした点と、技術の進歩によって 多彩なLEDのコントロールが可能になった点があります。



たとえばアウディのマトリックスLEDシステムでは、ヘッドライトモジュール内に 多数のLEDを内蔵し、個々のLEDをきめ細かく制御することで、先行車や対向車の ドライバーに眩惑を与えないハイビーム投光が可能なまでになっています。




「マトリックスLEDヘッドライト」の紹介ページ


ハロゲンバルブのリプレイス、HIDとLEDのどちらを選ぶべきか



現在、ハロゲンバルブのヘッドライトを使っているなら、HIDやLEDに交換することで 省エネ性と明るさを向上させることができます。問題はHIDとLEDのどちらを選ぶかです。



数年前であれば、ハロゲンバルブからのアップグレードではHIDが有力でした。


しかし、青色LEDの実用化などによって性能がUPした現在では、LEDヘッドライトへの 置き換えの方が、より大きな満足が得られると思われます。



ハロゲンのヘッドライトをLED化すると、省エネ性と明るさの向上が得られます。

また、球切れの心配からも開放されます。現在では各社からH4(High/Low切り替えタイプ)の LEDが出揃った感があり、バルブを交換するだけでLED化できる環境が整ったといえます。



LEDバルブにはコントローラー部や冷却のためのフィン/ファンをバルブと一体化した 製品もあります。このような製品であれば、ハロゲンバルブをLEDバルブに交換するだけで アップグレードが完了します。もちろん、取り付けはDIYが可能です。



明るさの面ではHIDに1歩譲るLED製品もありますが、ハロゲンバルブからの交換では、 HIDよりも圧倒的にLEDが簡単です。現在ハロゲンバルブのヘッドライトを使っているなら、 そろそろLEDを検討してみては如何でしょう? 




きっとその明るさに驚くことでしょう。



p1みんカラ より)
cap:LEDバルブには、後部に冷却用のフィンやファンが付く。コントローラーが小型なこともあり、ハロゲンからのグレードアップはやりやすい。


後悔しない商品選びが大切


圧倒的な省エネ性能と、鋭い光で見た目にも美しいLEDですが、ただLEDにすれば、すべての方が満足できるというワケではありません。

使用用途や、使用環境などに適したバルブを選択するようにしましょう。


雪道ではハロゲンが有利

さまざまな形の照明器具にも使用されているLED電球は、一般的な電球やハロゲン電球と比べ、発熱量が少ないという特徴があります。

車にとっては、発熱量の少なさや、複数のLEDでヘッドライトを構成しやすいなどの特徴が活かされ、明るさが得られるのかと心配になるほど細長のヘッドライトなどが実用化され始めているのです。


しかし、発熱量が少ないLEDヘッドライトは、雪道でヘッドライトに付着した雪が溶けないというデメリットも忘れてはいけません。

そのため、近年発売される新型車には、通常の汚れはもちろん、付着した雪を落とす目的で、ヘッドライトウォッシャーが装着されているのです。


純正でハロゲンが採用されている車種の中には、ヘッドライトウォッシャーが装着されていないことが多く見受けられ、LEDに交換した場合、夜の雪道ではヘッドライトの光が付着した雪で遮られてしまう可能性があります。


毎年雪が降る地域にお住いの場合や、スキーやスノーボードに行かれるという方は、季節によってハロゲンとLEDを使い分ける必要があるでしょう。

色温度の選択も大切

せっかく明るいLEDやHIDに交換しても、実際に照らされた道路が見にくいようでは意味が無くなってしまします。


したがって、ファッション性を重視するのであれば6000K程度まで、実用性を重視するのであれば4500K~5000K程度にしておくことと良いでしょう。



HIDとLEDを徹底的に比較(個人的な意見多数ですが(笑)

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